今回はアカペラアドベントカレンダーという企画で記事を書いております。
19日目担当のきなこくるみと申します。
アカペラアドベントカレンダーは、
"ACAPPELLER.JP - 歌わないアカペラサークル (AJP) (@acappellerjp)"
という二つのコミュニティが主催しています。
上記リンクから参加者全員の記事が読めます。音楽好きとしては本当に毎日おもしろい(interestingの意)です!
昨日12/18はあんぼさんが「同じ口だけの演奏だけど…? 」という記事を投稿されました。複数人でビートボックスをやっているチームのご紹介です。
このアカペラアドベントカレンダーは基本的にアカペラを嗜む方々が書いているのですが、私きなこくるみはアカペラ(ほぼ)未経験です。
(ハモネプは小学生のときから好きでして、小学生ながら真似してバンドを組んでやってみたことがあります。なおハモネプの影響で背徳の薔薇とたむらまろの大ファンでもあります。)
詳しい音楽歴は後述しますが、私は以前から管弦楽アレンジに興味を持っていました。
そんな折にTwitterで「アレンジもくもく会」なるものの募集を見つけたため参加したところ、主催のみやけん / 宮島健太郎 (@aichil1164)さんからアレンジャーの会にお誘いいただき、一員となりました。
アレンジャーの会のメンバーはほとんどがアカペラ奏者であり私のような器楽アレンジャーは少数なのですが、おかげでアカペラ奏者のお知り合いがたくさん増えました。そのつながりで今回このアドベントカレンダーに参加させてもらっています。
以前アレンジャーの会について個人的な感想の記事を書いたことがあるので載せておきます↓
それなりに分量の多い記事だと思いますが、アカペラ奏者の方には新鮮な視点を提供できれば幸いです。
きなこくるみとアレンジ
アレンジアレンジ言ってますが、個人的には「編曲」という言葉のほうがなじみ深いので編曲という言葉も適宜織り交ぜて使っていきますね。意味は同じです。ごめんなさいね。
まず私の音楽歴をば。
小学3年生のときに学校のオーケストラ部に入り、バイオリンを始める。
そのまま同じように中高大でも部活/サークルのオーケストラで約15年間バイオリンを続ける。
編曲は高校生のときにバイオリン仲間11人でアンサンブル演奏をしたくて、J-POPなどのメドレーを作ったのが最初です。五線譜に手書きしてコピーを配った時代が懐かしい。
大学で一瞬だけ軽音楽部に入り、エレキギターをさわっていたこともありました。
社会人になってからはバイオリンをさわってはいたものの演奏活動は数年なかったのですが、今年のあたまにバンドを始めて再開しました。
アレンジャーの会に入ったのも同じく今年のあたまです。2019年は今までで一番楽譜を書いたかもしれません。
この一年で作ったアレンジたち
1. 妹同僚結婚式余興用「校歌」
数年ぶりにまともな編曲をしたのが今年の初めでした。
私には学校の職員として働く妹がいるのですが、同僚の結婚式で余興をやってくれと頼まれたため、職場の学校の校歌を同僚数人で歌うことになったとのこと。
妹はチェロをやっており、もう一人サックス経験者がいるので、その二本で歌に合う伴奏を作るという編曲をしました。(依頼されたか私がやるよと提案したかは忘れましたがどうでもいいですね!)
校歌を貼ることで妹の職場を公にさらすのはアレなので動画や楽譜をお見せできないのですが、結果から言うと妹には喜んでもらえました。
・1番
サックス:歌唱組が歌いやすいように、メロディそのまま
チェロ:4分刻みや符点4分+8分のシンプルなベースライン
とにかく校歌らしく、シンプルにしました。2番で変化をつけていきます。
・2番Aメロ
サックス:メロディと掛け合いになるように、「結婚行進曲/メンデルスゾーン」のモチーフ
チェロ:2分音符のベースライン
・2番Bメロ
サックス、チェロ:結婚行進曲の有名なリズムユニゾンでのコーラス(たたたたーん)
・2番サビ 1回し目
サックス:メロディのハモり
チェロ:4分刻みと結婚行進曲のリズムを交互にした伴奏
・2番サビ 2回し目
サックス、チェロ:結婚行進曲のメロディを校歌に合わせた対旋律
クラシック音楽 メンデルスゾーン:結婚行進曲 Mendelssohn:Wedding March from "A Midsummer Night's Dream"
校歌って構成がシンプルなので伴奏が楽しくなればと思い、こんな感じで結婚行進曲のモチーフを2番が始まってから少しずつ混ぜて、最後は伴奏が完全に結婚行進曲になるように増やしていきました。
すみません、文章じゃ伝わりませんよね。こんなにこだわったのに楽譜貼れないの残念です(;;)
直接お会いした方にはお見せできますので、お声掛けください!
2. プッシュプレイ/ポルノグラフィティ
私は昔からポルノグラフィティのファンでして、今年の9月にあったデビュー20周年記念の東京ドームライブに感化されて作りました。ちなみに初めてこの楽譜で初めて多重録音をやりました。
【バイオリン四重奏】プッシュプレイ/ポルノグラフィティ【アレンジ】
♪プッシュプレイ/ポルノグラフィティ
— ∠きなこくるみ🎸PG用 (@pg_kinakokurumi) 2019年9月15日
ロマポルロスの皆さんへ。やっぱりinEで。#ポルノグラフィティ #神VS神 #弾いてみた#バイオリン pic.twitter.com/yWlngplVJB
多録に慣れてなさすぎてタイミングが全然合ってないのは今後改良したいところです。。。
この曲は2005年発売のアルバム「THUMPx」に入っているのですが人気も高く、ロックミュージックを聞いたりライブに行ったりしたときの高揚感を歌っています。
狂喜する声が満ち溢れていた
立ち向かうように髪を振り乱し
「その拳突き上げろ」と歌う
あのロッカー まだ闘ってっかな?
上記が冒頭サビの歌詞です。先の東京ドームライブの1曲目として演奏されたのですが、この冒頭がなんと複数人(たぶん4,5人)によるアカペラで始まったのです。
半年以上前にチケットを取ってずっと楽しみにしていた東京ドーム、5万人が見つめる中で「狂喜する声が満ち溢れていた」…とアカペラのハモりで始まったときの感動は凄まじいものでした。今思いだしてもため息が出ちゃう。
記憶の限りそのアカペラアレンジに近くなるように作ったのが上記のアレンジです。
(12/20追記)
なんとなんとなんと、上記のアカペラプッシュプレイ音源が今日から配信されました!!
もしかしたら課金してないと聞けないのかもしれませんが、、、素晴らしくてアカペラ部分だけ永久ループしております。深夜なのに。
(追記おわり)
3. アレンジ展第一回「メリーさんのひつじ」
所属しているアレンジャーの会で、10月に初めて「アレンジ展」というものをやってみました。
課題曲を設定し、編成やジャンルなどは自由にアレンジしたものを指定日に持ち寄ってみんなで視聴するという会です。
第一回の課題曲は「メリーさんのひつじ」。
私は大学くらいからオーケストラアレンジを作れるようになりたいという夢があり、ただリハモや新しいモチーフを作る能力がないため、既存のクラシック曲の構成をパクるという方針でやってみることにしました。クラシックなら著作権も問題ないものが多いし。
いくつか好きな曲のメロディにメリーさんのひつじを当てはめたりして考えたのですが、結局この「交響曲第9番『新世界より』第4楽章」がすごく合うことに気づき、採用しました。
基本的にメロディ以外はほぼ原曲通りです。
オケ譜を書いたのはこのときが初めてで、ある程度慣れたmusescoreで作っていたとはいえ打ち込み量の多さに辟易しましたね。。。
その点でも全てが手書きだった時代の作曲家へのリスペクトが増しました。
Gustavo Dudamel : Dvorak - Symphony no. 9 - 4th movement - Allegro con fuoco
指揮のドゥダメルさんまじアツいな~~~。
4. ミステーロ/ポルノグラフィティ その1
音楽歴の部分で「今年に入ってバンドを始めた」と書いたのですが、これが念願のポルノグラフィティのコピーバンドでした。
このバンド、初めての練習でポルノの「ミステーロ」という曲を合わせたのがきっかけでバンド名が「MiSTEROW(ミステロウ)」になりました。
そして10月末に出演したライブの宣伝のために、ミステーロの一部分をバイオリン1本用に編曲してTwitter投稿しました。
♪ミステーロ/ポルノグラフィティ
— ∠きなこくるみ🎸PG用 (@pg_kinakokurumi) 2019年10月7日
バイオリン1本で弾いてみました。
"追いかけては すり抜けてく 浅い夢のような…"#ポルノグラフィティ #弾いてみた pic.twitter.com/4DxtbdlSV9
楽譜の一番下切れちゃったすみません。。。
最初は原曲だと疾走感あるメロディなんですが、バイオリン1本なのでしっとり弾いてみました。
途中の全休符~Dの伸ばしの意味は原曲を聞いてもらえるとわかるかと思います。3分26秒~ラストまでを使っています。
5. ミステーロ/ポルノグラフィティ その2
えー、先ほどと同じミステーロです。笑
【バロック風アレンジ】ミステーロ/ポルノグラフィティ【バイオリン・ベース】
先ほど書いたバンドのライブで披露しました。
とはいってもミステーロをフルでやったわけではないのです。
ポルノグラフィティの「瞳の奥をのぞかせて」という曲をやったのですが、そのイントロ部分にこのバロック風ミステーロを使いました。このあと途切れずに瞳の奥をのぞかせてに続いていきます。
このあとの瞳の奥をのぞかせての最初のほうもアレンジを加えていて良い感じなのですが、楽譜が作れないので割愛です。。。直接会った方はライブ動画お見せできますので…!
この「バロック風」ですがコレッリ作曲の「ラ・フォリア」という曲にインスピレーションを受けています。2分20秒くらいのところです。
Henryk Szeryng plays Corelli's "La Folia" Sonata
ハープシコード伴奏のラ・フォリアを初めて聞いたんですけど最高すぎませんか???見つけてそのまま作業用BGMとして流してました(関係ない)
6. 妹結婚式余興用「スペシャルメドレー」
今度は妹自身が結婚式を挙げまして、披露宴の余興で私と妹のバイオリン・チェロのデュエットを演奏しました。
妹の好きな曲をやりたいと思ってたのですが、式場は著作権にめちゃくちゃ厳しく、著作権の切れてない音楽を素人が編曲したものの演奏はダメだと言われてしまい。。。
なので、妹の好きな著作権切れのクラシック3曲
・G線上のアリア/バッハ
・威風堂々第一番/エルガー
をメドレーにしたものを作りました。
しかしそんな簡単に引き下がるきなこくるみではありません。(?)
妹の好きなポップスなどをもう4,5曲聞き出し、そのモチーフを少しだけ上記のクラシック3曲に混ぜ込みました。ええ。
やり方としては校歌×結婚行進曲と同じような感じで、、、
伴奏の合間に対旋律として入れたり、
あまり有名じゃないメロディ部分をすり替えてしまったり、
といった具合です。
ただ基本的に違和感がないように、私と妹とゲストの数人気づいてくれればいいかな程度の混ぜ込み方にしました。
当日披露したところ、妹の友人で音楽に詳しい子一人だけは気づいてくれましたが、他の音楽経験者や素人たちには全くバレなかったようです。よかったー。
というわけでこれも楽譜や動画載せられないので、直接会ったら見せます!
7. アレンジ展第二回「ジングルベル」
つい先日行われた、アレンジャーの会の第二回アレンジ展のために作ったものです。
今回の課題曲は「ジングルベルのサビのみ」。
前回の「メリーさんのひつじ×新世界より」の評判がよかったのもあり、またクラシックオマージュにしようと思っていました。
ジングルベルが冬の曲なのでヴィヴァルディを考えたりしていたのですがしっくり来ず、「クラシック 冬」で検索してシベリウス作曲のフィンランディアを見つけ、ジングルベルのメロディにぴったりだったので採用しました。
アレンジには3分24秒頃からラストまで、かいつまんで使っています。
シベリウスがフィンランド出身ということをこのとき初めて知りました。タイトル「フィンランディア」なのに。
寒々しい曲ばかり書く人なので勝手にロシアかと思ってました。。。
曲の背景もあまりよく知らないんですが、さすがサンタクロースと同郷というだけあってジングルベルとの親和性がいいですね。
ちなみにアレンジのスレイベル(鈴)は私が入れたので、原曲にはありません。
おわりに
以上、きなこくるみが2019年に作った管弦楽アレンジ作品でした!もしかしたら忘れてるのもあるかもしれないけど!
多録やオケ譜の作成、演奏の予定がない楽譜の書き上げなど初めてのことが多くとても充実した一年でした。
大学の頃から編曲をやることがほとんどなくなり、できるようになりたいとだけ思ってだらだら過ごしてきていたのですが、バンドとアレンジャーの会の存在のおかげでいろいろ作れて嬉しいです。妹の二件は突発的なやつなのでたまたま今年にかぶったのもまた縁だなと思います。
今後も質の良い編曲作品を生み出していきたい所存です。
2020年の目標としては
・リハモを勉強する
・もっと質の良い多録ができるようになる(そのための編曲もやる)
こんなところです。
またこうやって拙作の振り返りと解説を残す機会を与えてくれたアカペラアドベントカレンダー企画には本当に感謝しています。記事作成が遅くなりご迷惑おかけしました。。。
明日20日目は倉田 京 (@KyoKurata) さんです。
どうやらご自身で作られた5声のための楽曲について書かれるようです…!
アカペラアドベントカレンダー、引き続きお楽しみくださいね。
ご清聴ありがとうございましたー!