特別じゃなきゃいけないんですか?
今週のアニメ『進撃の巨人』で刺さった台詞。
乳児期の主人公エレンを抱いた母カルラは、エレンに頬ずりしてこう言葉を続ける。
だって…見てくださいよ、
こんなにかわいい。
だからこの子はもう偉いんです。
この世界に生まれてきてくれたんだから。
先日読んでかなりの衝撃を受けた本『なぜこんなに生きにくいのか(南直哉)』の言葉にも似たものを感じる。
「ナンバーワンよりオンリーワン」という言葉は悲しい。
「オンリーワン」も結局人との比較なしには成り立たない。
※上記の言葉は原文ではなく、省略と私の要約が入っています
衝撃を受けたのはこの言葉だけではないんだけど、本が手元になくて覚えてないのでひとまずこれだけ。
自己肯定感の低い私にはどちらも心によく響いた。
比べる必要はないんだ。
特別じゃなく、地味に地道に生きる人生でもいいのではないか?
それで、プログラミングを再開しようかと思い始めた。
数ヶ月前に独学で軽く手を付けていたが、
「ただ役に立つから、周りに流されてるからやろうとしているんじゃないのか?」
と問われたときに何も返せず、そうかもしれないと思い、やめてしまっていた。
もちろん、役に立つとか今必要とされているからとか、そういう理由もあってやっていたのは確かである。
でも「おもしろそう」「自分に合ってそう」という気持ちも確実にあった。
そもそもプログラミングは、転職を考えたときに様々な選択肢を検討した上で、やっぱり身につけたいと思ったはずのものなのだ。
その後考えた結果、自分の情熱は音楽にあるのだと再認識し、それを信じて音楽に関わる仕事を目標にしていた。
でも実際この2年半は、情熱を持って音楽に生産側として関われていないと思う。
それはおそらく一人だから。
私は人と一緒にやるものが好きなのだ。
生産側としての音楽で好きだったのは、楽器の個人練習やソロ曲の演奏ではなく、オーケストラや弦楽、バンドでの合奏だった。
休学中の1年間にお茶販売員のアルバイトをしていたときは、研修段階から気の合う仲間が居て、店舗では尊敬できる先輩たちに囲まれていた。
その仕事に音楽は関係なかったが、今でも忘れられないくらいにとても充実して過ごせていた。
プログラミングを挫折したのは一人で独学していたからで、人と一緒ならできるかもしれない。
私は人に言われたことを真に受ける性質がある。自信がないからだと思う。
進む方向を迷っていたこの数ヶ月、司令性の強い人から言われたことを特に真に受けて、非常に混乱してしまっていた。
本当は、自分が「おもしろそう」と思ったことに従って進めば私はそれで幸せに過ごせるのだ。
オーケストラを始めたのも、大学を選んだのも、お茶販売員のアルバイトも、全部「おもしろそう」とか「ちょっと興味ある」という軽い気持ちがきっかけだった。
それに、自分で決めて選択したことなら基本的に後悔することはあまりない。
私にとって司令性の強い言葉は、考える余地を奪われてしまう。
その衝撃によって、思考や気持ちまでも惑わされる。
気をつけないといけない。
私は特別な人間でなくてもいいし、地味に地道に生きていってもいいのだ。
だからやっぱりプログラミングを勉強して、まずは特別ではない方法でお金を稼いでいこうかと思い始めている。